中国語の音節には、前鼻音「n」と後鼻音「ng」で終わる発音方法があります。
日本語ではどちらも「ん」に聞こえるので、日本人にとっては、この2つの発音を区別することは難しいかと思います。
しかし、中国語ではこの2つは別の発音で、意味も異なってきますので、しっかりと区別して発音する必要があります。
以下に、前鼻音「n」で終わる単語と、後鼻音「ng」で終わる単語の発音方法について説明します。
1. 前鼻音「n」で終わる単語の発音方法
前鼻音「n」は、舌先を上の歯茎に押し当てるように発音します。舌は緩めず後ろに引かない。また空気を鼻腔に送らないよう、口腔を開き過ぎないように。音は比較的シャープでクリアです。
日本語の「案内（あんない）」の発音「ん」をイメージして発音してみてください。
前鼻音「n」で終わる単語の例
半 – bàn（半分）
山 – shān（山）
钱 – qián（お金）
脸 – liǎn（顔）
分 – fēn（分）
根 – gēn（根）
新 – xīn（新しい）
亲 – qīn（親しい）
2. 後鼻音「ng」で終わる単語の発音方法
後鼻音「ng」は、舌の後方を起こし、舌の付け根を後ろに引いて、軟口蓋（口の天井の奥の柔らかい部分）に当てて、空気を鼻腔に送って発音します。音は比較的低く、よく響くのが特徴です。
日本語の「案外（あんがい）」の発音「ん」をイメージして発音してみてください。
後鼻音「ng」で終わる単語の例
棒 – bàng（すばらしい）
伤 – shāng（傷）
墙 – qiáng（壁）
两 – liǎng（二つ）
风 – fēng（風）
耕 – gēng（耕す）
腥 – xīng（生臭い）
青 – qīng（青い）
3. 発音練習のポイント
単語をペアで練習：
前鼻音「n」で終わる単語と、後鼻音「ng」で終わる単語をペアで練習すると効果的です。たとえば、ān（安）とáng（昂: 高く上がる様子）を交互に発音し、違いを確認します。
舌の位置を意識：
発音するときに舌の位置を意識することで、正確な音が出せるようになります。特に「ng」の場合、舌の後ろ部分が上に向かっていることを確認してください。
音の響きを感じる：
前鼻音「n」は口の前方、後鼻音「ng」は、口の奥で音が響く違いを感じ取りながら練習しましょう。
鏡を使って確認：
発音の際に鏡を使い、舌の動きや口の形を確認することも有効です。
発音の正確性をチェック：
ネイティブの中国人や翻訳アプリなどで、自分の発音が合っているかチェックすることも大切です。
前鼻音「n」と後鼻音「ng」の発音は日本人にとっては難しく感じるかもしれませんが、違いを意識しながら発音することを心がけてください。
