中国の2016年(旧暦)もそろそろ終わりですね。年末になると、日本の流行語大賞と同じように、中国でもその年の流行語が発表されます。
今回は2016年に中国のネットで人気のあった、中国語流行語ベスト10を紹介したいと思います。
あまり上海の中国語学校では教えない言葉ですが、皆さんはいくつ知っているでしょうか?
中国人の友人との会話で使うと、「えっ、どうして知ってるの?」とびっくりされるかも知れませんよ(笑)
蓝瘦香菇
ネット動画から流行った言葉です。広西省南寧のある青年が失恋した後、その悲しい自分の気持ちを話した動画をネットにアップしました。
しかし、この作者の広西省なまりがひどく、「とても悲しくて、泣きたい」の中国語「难受,想哭」(nan2 shou4 xiang3 ku1)が、「蓝瘦,香菇」(lan2 shou4 xiang1 gu1)に聞こえることから、この言葉が流行になりました。
小目标
中国の大富豪「王健林」がテレビのインタビューを受けた時、「世界一のお金持ちになりたければ、最初は達成できるような小さな目標を立てたほうがいい。例えばまず1億元稼ぐとか」という言葉から由来しています。
大富豪の彼にとっては、1億元を稼ぐのは小さな目標でも、普通の人にとっては一生かかっても達成が難しい大きな目標であることから、自嘲の気持ちを込めた、反対の意味で使われます。
老司机
元々は雲南民謡の「老司机带带我」から来た言葉で、「ある分野におけるプロ」のことを言います。
最近では、ネット掲示板やSNSのベテランで、ルール、技術、使い方など、豊富な知識と経験を持っている人を指すようになりました。「老司机快开车」や「老司机带带我」のように使います。
一言不合就
もともと「一言不合」は「気が合わない」という意味ですが、今では「わがまま」や「すぐ」の意味も含まれた、広い意味で使われるようになりました。
よくネット掲示板などでは、「一言不合就开车」「一言不合就飙车」のように使われます。「予想しない事が起きた」「急に何かをやり出した」の意味でも使われています。
洪荒之力
大ヒットドラマ「花千骨」の中で、「洪荒之力」は一番強い法力で、この力を手に入れた者は世界を手に入れるともいわれます。
リオオリンピックの際に、背泳ぎ中国代表の傅园慧選手が「今日は洪荒之力を使い果たしました。もう力が残ってません」と発言し、この言葉は8月の一番ヒットした言葉になりました。
撩
もともとは「引き起こす」「絡げる」の意味ですが、気にいった異性に好意を持ってもらうため、様々な手段を弄すること、つまり「口説くこと」の意味になりました。
「撩妹」は男性が女性を口説くこと、逆に女性が男性を口説く場合は「撩汉」と言います。韓流ドラマ「太陽の末裔」でソン・ジュンギが演じる主役が撩妹の達人で、この言葉は流行になりました。
宝宝
最近、若い女性の間で流行している「我」(私)の別の言い方。元々の意味は「赤ちゃん」のことですが、「吓死宝宝了」のように、自分を可愛く強調したい時に使います。
その後、「宝宝」が単独的にも使われるようになり、会話の雰囲気がおかしくなければ、ほぼいつでも「私」の意味で使われます。
没想到你是这样的
最近ネットでよく使われている言葉で、「思いもしなかった」「意外なこと」の意味を表します。
例えば、支付宝が引き出しサービスを有料にした時は「没想到你是这样的支付宝」、滴滴出行が車のネット予約料金を上げた時は「没想到你是这样的滴滴」のように使われます。
狗带
発音が英語の「go die」と似ていることから、人を罵倒する時などに使う、あまり良くない言葉。語源は中国の歌手「黄子韬」のラップの歌詞「我不会就这样轻易地 go die, Huh」から。
微信や微博などのSNSでは、不満や仕方ない気持ちを表したい時に、よく「我选择狗带」と言うようになりました。
友谊的小船说翻就翻
漫画家「喃东尼」の最初のオリジナル作品名「友谊的小船」が由来で、ネットでパロディ化されて人気になりました。
直訳すると「友情の小舟はすぐにひっくり返る」、つまり「友情は簡単に壊れる」の意味です。
「友谊」を他の単語に変えて使うこともできます。例えば「爱情的巨轮说沉就沉」「好好的姑娘说胖就胖」「卡里的余额说没就没」などがあります。